喫煙が健康に及ぼす影響

現在日本で販売されているタバコには、おおむね下記のようなメッセージが表示されています。

「喫煙は、あなたにとって脳卒中の危険性を高めます。疫学的な統計によると喫煙者は脳卒中により死亡する危険性が、非喫煙者に比べて約1.7倍高くなります。」
また、反対側には「人により程度は異なりますが、ニコチンにより喫煙への依存が生じます。」などと記載されています。


ニコチン依存には、習慣としての心理的依存(食後の一服や仕事の合間の一服、手持ち無沙汰でついタバコをくわえてしまう、など)と、身体が欲する身体的依存(いらいらしてタバコを吸わずにいられない、朝目覚めたときに吸いたくなる、など)があります。

しかし、この精神作用、実はコカインなどの薬物と同じ作用なのです。この「多幸感」という精神作用によって多くの人がタバコをやめることがなかなかできない状態を招いているのです。 

タバコの主な成分であるタール、一酸化炭素、ニコチンの中で、一酸化炭素(いわゆるCo)は、血液中のヘモグロビンという酸素を運ぶ成分に酸素よりも早く結合してしまいます。その結果、酸素欠乏状態を引き起こすといわれています。また、血管壁や血小板を傷つけたり、肝臓でのコレステロール代謝を阻害したりして、動脈硬化を促進させるともいわれています。

それが、上記のように、タバコ購入者へのタバコ販売会社からのメッセージにもつながっているのです。脳卒中以外でも心臓疾患等各種生活習慣病のリスクを上げるものとして、社会的に認識されており、厚生労働省も本格的に禁煙サポートや、企業や家庭での分煙サポートに取り組むようになりました。ニコチンパッチといわれる禁煙のための貼り薬が保険診療で取り扱えるようになったことも、「禁煙・分煙促進」という時代の流れを反映したものといえるでしょう。

また、自分自身が喫煙していなくても、身近な人間が喫煙していることによって、そのタバコの煙にさらされること受動喫煙といいます。この受動喫煙によっても、病気にかかるリスクがあがることが明らかになっており、たとえば、夫が1日20本以上喫煙するときの妻の肺がん死亡率は、夫が喫煙しない妻に比べて実に1.91倍だと言われています。


このように、喫煙はほぼすべてのがんや、各種疾患(心臓病、脳卒中、肺気腫、ぜんそく、歯周病など)との関連性(非喫煙者と比較した罹患率・死亡率等)が高いことが、さまざまな調査から明らかになっています。


当院でも、各種生活習慣病やそこから増悪して心臓疾患を引き起こす可能性があるとされる5大要因の一つである喫煙については、ご相談を承っております。

禁煙のご相談をお受けします!


また、禁煙を希望される方への指導・アドバイスも行っております。

お気軽にご相談下さい。


【参考ページ】
厚生労働省 たばこと健康に関する情報ページ
http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/main.html


禁煙指導研究会
http://www.nosmoking.jp/

内科・循環器科

あらた内科医院
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