| ![]() |
![]() |
ピロリ菌は、人間の胃の中に住み着く菌です。正式名は「ヘリコバクター・ピロリ」といい、胃の出口(幽門部)で多く見つかります。 発見されたのは1980年代ですが、近年この菌が胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因のひとつとなっているということが明らかになってきました。 また、胃炎の原因のほとんどはピロリ菌であると言われています。 ![]() ![]() ピロリ菌に感染しているかどうかの検査は、主に下記のようなものです。 ●UBT(尿素呼気試験)=尿素がピロリ菌によって変化することを利用して呼気の中の尿素を測定する試験です。簡単にでき、精度もすぐれています。 まず、何もしない状態で、検査用のビニール袋に呼気を吹き込み、測定します。次に尿素水(ほとんど無味無臭ですので飲みにくいなどの心配はありません)を飲み、一定の時間同じ姿勢で待機します。(姿勢を変えてまた一定の時間待つこともあります) その後、もう一度検査用のビニール袋に呼気を吹き込み測定します。 ●血液検査=血液を採取しピロリ菌に反応する抗体があるかどうか検査キットで判定するものです。除菌治療をした後に抗体が低下するのに時間がかかってしまうので、除菌治療後の検査はやや不正確になります。 ※血液ではなく、尿からも抗体の測定が可能です。 ●内視鏡検査=○培養法○迅速ウレアーゼ試験○鏡検法の3つがあります。 ○培養法=内視鏡検査により採取した組織を培地に植えて培養します。判定に時間がかかります。 ○迅速ウレアーゼ試験=体内にピロリ菌が存在する場合、そのウレアーゼの働きで試験液の色がかわります。判定時間は短いのですが、除菌治療の直後はやや不正確になります。 ○鏡検法=採取した組織を染色して顕微鏡で観察する検査です。組織をとる場所によってピロリ菌が見つからないこともあります。 ●Hp(ヘリコバクター・ピロリ)糞便中抗原検査=便の中のピロリ菌の抗原を検査キットで判定します。簡単で精度もすぐれています。 いずれも、どれかひとつの検査を行なうのではなく、組み合わせて行なうほうが精度が増します。これらの検査には保険が適用されますので、ご希望の方は、お気軽にご相談下さい。 当院の内視鏡検査は、鼻から管を通す経鼻内視鏡装置を使った検査のため、患者さまの負担が少なくてすみます。ピロリ菌の検査だけでなく、その検査を受けたことにより胃潰瘍、胃がんの早期発見、早期治療につながるケースも報告されています。 また、ピロリ菌の除菌療法は、内服が主となります。医師の指示通りに副作用の少ない薬を一週間服用していただき、服用後一ヶ月後にUBT(呼気試験)を行ない除菌を確認して終了となります。この際、途中で内服を中途半端にやめてしまったりすると、体内のピロリ菌が薬に対して耐性をもってしまい、次に除菌しようとしても薬が効かなくなってしまうおそれがあります。除菌療法を行なう場合、医師にしっかり相談をして、必ず指示通りに薬を服用するようにしてください。 それでは、次に、ピロリ菌が原因のひとつとも言われている胃潰瘍についてご説明します。
中央通クリニック
![]() |
![]() |